税務署が税務調査で一番時間を割いていること

税務調査で調査官は何をしているのか? 限られた調査期間で成果を上げる(誤りを見つける)ために、優先順位の高いものに絞って作業しています。

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調査官が最も多く時間を割くのは、帳簿の確認

税務調査は概ね2日から3日の日程で行われます。

調査を受ける側からすると長く感じますが、調査官はその間に過去3年分の帳簿・資料を見なければいけませんから、時間の制約はかなり厳しいと言えます。

厳しく制限された時間の中で、成果を上げるには優先順位の高いものを中心に調査を行うしかありません。調査官にとっての成果は、確定申告の誤りを見つけることですから、最も効率よく誤りを見つけるための調査に多くの時間を割きます。

それが何かというと、

帳簿の確認

帳簿には、会社が行った全ての取引が記録されていますから、会社の取引をまとめて見ることができると言う意味で効率的ですし、

「日付」「勘定科目」「取引の内容」「金額」と、怪しい取引を判断するための情報(”記録がない”ということも含めて)が記録されているので、誤りや不正な取引が見つかる可能性が高いからです。

そして、帳簿の確認をして、怪しい取引や誤りがありそうな取引が見つかったら、関連する資料を見て実態がどうなっているかを見ていきます。

つまり税務調査にかける時間のうち、60%は「帳簿→資料」の確認作業に時間をかけているのです。

 

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帳簿にない取引を見つけるために、ここに時間を割く

先述の通り、税務調査では帳簿と、帳簿で見つかった怪しい取引に関連する資料(請求書や領収書)の調査が中心です。

ではそれ以外の調査をやっていないのかというと、そんなことはありません。

もし帳簿しか見ないとすると、帳簿に載っていない取引は見逃されてしまうことになるからです。

むしろ、脱税につながる取引は、帳簿に現れない取引ですから、帳簿に載っていない取引についても当然、時間を割くわけです。

具体的には、次のような調査にも時間を割いています。

売上げの漏れの調査

正直に申し上げて、売上の漏れを完璧に把握するのは難しいです。

たとえば、取引先と結託して、契約書や請求書などの取引の形跡が残る資料を残さず、現金で代金を支払えば、その取引の存在を特定することは難しいでしょう。

ですが、難しいですが不可能ではありません
パッと見だだけでは気づきませんが、脱税を目的にした取引は、不自然な要素が満載ですから、どこかに必ず”しっぽ”があります

そして、いくつかの調査を重ねて行えば、どこかでその”しっぽ”に行き当たりますから、いずれはバレてしまうんですよね。

しかも、バレたときは、わざと売上を隠そうとしているのがモロに分かってしまいますから、問答無用で罰金(重加算税)です。

脱税に対して厳しい目を向けるのが税務署ですから、その可能性がある売上の漏れにはしっかり時間を使います。

具体的には、

・会社の売上と原価のデータを見る
 ※売上に対して原価が大きすぎると、売上を抜いている可能性がある

・社長の個人口座の通帳
 ※売上の証拠を隠すために入金を個人口座にした可能性がある

取引先の税務調査の結果
 ※取引先に税務調査が入っているときは、取引先の仕入れ会社の売上照合して、
  一致するかどうかを確かめる

在庫数量の調査

在庫数量についてもしっかり調査します。

在庫を実際よりも少なくすると、原価が大きくなり、
利益が小さくなります。

 

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税金は利益に税率をかけて計算しますから、
利益が小さくなると、税金の額も小さくなるのです。

そこに目を付けて、在庫の金額を、実際の金額よりも小さくすることで、
脱税しようとするケースがよくあります。

調査官は、そのような脱税を疑って、在庫の数量や在庫の評価額などにも時間を使って調査するのです。

 

まとめ

税務調査では、帳簿の確認に最も多くの時間が使われています。
その一方で、帳簿に記録されていない脱税につながる取引の調査も行っています。
 

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