確定申告は個人事業主だけでなく会社で働いている方にとっても大事な手続です。基本的な仕組みから申告・納付までのスケジュールまで、確定申告の中身を説明していきます。期限までに正しく申告できるようにポイントを確認していきましょう。
[aside type=”normal”]タカジムでは確定申告サービスを提供しています。
確定申告のことでお困りのお客様は、こちらのページの下部をご覧下さい。
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税金の関する記事を、こちらでまとめています。
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確定申告とは
確定申告は、その年の業績を確定させて、それを基に行った税金計算の結果を国に提出することを言います。
[aside type=”normal”] 確定申告その年の業績を確定させて、それを基に行った税金計算の結果を国に提出すること
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納税は国民の義務ですが、その計算と納付は国民が自主的に行わなければいけないんですよね。会社に勤めていると、この感覚が薄れてしまうのですが、国や自治体がやってくれるわけではなく、会社が給与計算の過程で肩代わりしてくれているだけで、自分でやるのが基本です。
また、「確定申告」というと、税金を支払うために行うイメージがありますが、払いすぎた税金を返してもらう”還付”や赤字を将来に繰り越す”繰越欠損金”を使う(青色申告している事業者に限ります)ために必要な手続でもあります。
個人が納めなければいけない税金には、所得税、住民税、消費税(個人事業を行っている場合)、個人事業税(個人事業を行っている場合)、固定資産税がありますが、この中で申告書の提出が必要なのは、所得税と消費税だけです。
住民税、個人事業税については、各自治体に送付される所得税のデータ、固定資産税については固定資産を取得したときに登録した「固定資産台帳」のデータに基づいて、各自治体が税金計算を行うためです。
個人事業主が支払う税金と、納付までのスケジュールについてはこちらで詳しく扱っています。
[voice icon=”https://yz-actax.com/wp-content/uploads/2016/09/IMG_9448.jpg” name=”タカジム” type=”l fb”]税金の計算は「自分でやる」のが基本です。
公的な手続は国や自治体できめ細かくやってくれる印象が強い日本ですが、納税については強い自主性が求められます。やっていないとペナルティもありますので、しっかり対応たいですね。[/voice]
確定申告が必要な方
確定申告が必要な人について大雑把に説明すると、”会社から給料をもらっている人以外で所得のあった人”と還付を受ける人は確定申告が必要と考えて下さい。
[aside type=”normal”] 確定申告が必要な人・会社から給料をもらっている人以外で所得のあった人
・還付を受ける人
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ただし、会社から給料をもらっている方でも、次のような条件にあてはまる方は、確定申告が必要です。
[aside type=”normal”] 会社から給料をもらっている方で確定申告が必要な方・給与収入が2,000万円を越える
・給与、退職金以外の副業で得た所得が20万円を越える
・2箇所以上から給与を受け取っていて、年末調整を受けていない給与と副業で得た所得の合計が20万円を越える
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また、還付を受けられるのは次のような方です。
[aside type=”normal”] 確定申告により還付が受けられる方・1年の途中で退職して年末調整していない方
・医療費控除
=年間の医療費合計が10万円(年間所得200万円未満の方は年間所得の5%)を越える方
・雑損控除
=台風、地震、火災などの災害や盗難などで家や生活用品に損害があった方
・「ふるさと納税」などの寄付控除
・住宅ローン控除
=住宅ローン控除をうける場合は、1年目に必ず確定申告する必要があります
・年末調整を忘れた方
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確定申告が必要な方の詳細についてはこちらで扱っています。
[voice icon=”https://yz-actax.com/wp-content/uploads/2016/09/IMG_9448.jpg” name=”タカジム” type=”l fb”]会社で働いている方以外で所得がある場合は、確定申告が必要と考えてください。盲点なのが会社に勤めていても確定申告が必要な場合と、退職した場合。年末調整に慣れていると確定申告が遠い存在になってしまいますが、申告が必要になる場合もあるので注意が必要です。面倒なんですけどね。[/voice]
確定申告の種類
確定申告には2種類あります。
1つは「青色申告」、もう1つが「白色申告」です。
「青色申告」には税金を安くしてくれる、メリットの多い申告方法です。具体的には、次のようなものがあります。
[aside type=”normal”] 青色申告のメリット・青色申告特別控除65万円
=経費と同じように所得を65万円分マイナスしてくれる
・青色事業専従者給与
=家族を従業員として雇った場合に、その給与の全額を経費にできる(白色申告の場合は、配偶者で86万円、配偶者以外で1人あたり50万円まで)
・赤字の繰り延べ
=翌年以降の3年間、黒字から差し引くことができる
・引当金の計上
=売上債権のうち回収できそうにない金額を経費にすることができます。
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(青色申告のメリットの詳細についてはこちらで扱っています)
白色申告に比べて、税務上圧倒的に有利な青色申告ですが、誰でも使える訳ではありません。
青色申告を使えるのは、「事業所得(個人事業主があてはまります)」「不動産所得(家賃収入です)」「山林所得(山林の伐採や譲渡による収入です)」がある事業者に限られます。
なので、サラリーマンの方などは青色申告を選択することができません(ただし、副業で事業所得がある場合は青色申告を選択できます)。
「青色申告」の条件を満たす方で実際に青色申告を使う場合は、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければいけません。
(「所得税の青色申告承認申請書」は国税庁のHPから手に入れることができます)
「所得税の青色申告承認申請書」の提出には期限があって、青色申告をしようとする年の3月15日までの提出が必要です。ただし、その年の1月16日以後に開業をした人は、開業日から2ヶ月以内に申請書を提出すればOKです。
確定申告で提出する書類
確定申告書には2つの種類があります。
「確定申告書A」と「確定申告書B」です。
パッと見ただけでは違いが分かりづらいですが、細かく見てみると、確定申告書Aは確定申告書Bの簡易版になっていて、主に会社に勤めている方が使うため(=給与所得がメイン方)に作られています。
なお、どちらを使うべきかの判断が難しい場合は確定申告書Bを使っておけば間違いがないので、こちらを選ぶようにしましょう。
また、確定申告書を提出する際は、申告書以外に添付書類も提出しなければいけません。
主な添付書類としては、個人事業主の方で青色申告をしている場合は、「青色申告決算書」を
青色申告していない方は、「収支決算書」を
会社に勤めている方で確定申告をされる方は、「源泉徴収票」を
提出します。
さらに、各種控除を受ける場合には、控除の条件を満たすことを証明する書類を提出します。
(上記の書類については国税庁のHPから手に入れることができます)
以上をまとめると、確定申告書の提出に際しては次のような書類を提出することになります。
【確定申告書】
確定申告書A | 確定申告書B |
---|---|
会社に勤めていて給与所得が主な所得の方 年金を受けていて確定申告が必要な方 |
それ以外の方 (選択に迷ったら「確定申告書B」を選べばOK) |
【主な添付書類】
青色申告 | 白色申告 | 給与所得が主な所得 |
---|---|---|
青色申告決算書 | 収支決算書 | 源泉徴収票 |
【所得控除に関する添付書類】
控除 | 添付書類 |
---|---|
雑損控除 | ・火災等を受けた資産の明細 ・災害等があったことを証明する書類 |
医療費控除 | ・医療費の明細書 ・領収書 |
小規模企業共済等掛金控除 | ・掛金の証明書 |
生命保険料控除 | ・生命保険料控除証明書 |
地震保険料控除 | ・地震保険料控除証明書 |
寄付金控除 | ・受領証等 ・公益法人、学校への寄付については公益の増進に寄与する法人 である旨の証明書 ・日本赤十字社、中央共同募金会の口座、国地方公共団体の専用口座 への寄付には振込票の控え |
【税額控除に関する添付書類】
税額控除 | 添付書類 |
---|---|
住宅ローン控除 (住宅借入金等特別控除) |
・登記簿等許雄または抄本 ・増改築等の証明書 ・住民票 ・借入金等の残高証明書 ・控除額の計算明細書 |
政党等寄付金特別控除 | ・寄付金控除のための書類 |
[voice icon=”https://yz-actax.com/wp-content/uploads/2016/09/IMG_9448.jpg” name=”タカジム” type=”l fb”]確定申告で提出する書類は色々あって面倒です。特に、添付書類は抜けてしまうことが多いので、提出前に必ず(記載内容の確認とは別に)書類のみの確認をするようにするといいですよ。[/voice]
確定申告のスケジュールと提出方法
確定申告までのスケジュールは次のようになっています。
曜日の関係で前後することはありますが、基本的にはこのようなスケジュールで進んでいきます。
注意しなければいけないのは、確定申告書の提出期限と納付期限が同じ3月15日になっていること。
申告書提出に気を取られていると、納付が遅れてしまうことがありますので、注意が必要です。なお、納付方法は、金融機関、税務署で現金で納付する方法と金融機関の口座から振替納付する方法の2つが主な方法です。
金融機関の口座から振替納付する場合は、振替が4月中旬から下旬に行われますので、納付までに余裕ができます。振替納付の手続も口座振替依頼書を提出するだけで手間がかからないので、こちらの方法がおすすめです。
確定申告書の提出には次の3つの方法があります。
①税務署に持参する
②郵送する
③e-taxで送信する
この中でe-taxは、利用に際して認証のための機器購入が必須なのでややハードルがあがりますので、①②が簡単です。
期限までに余裕があれば①②のどちらでも構いませんが、期限が迫っている場合は、不備があると受理されなくなってしまいますので、確実に受理してもらえるように税務署に持参するようにしましょう。
[voice icon=”https://yz-actax.com/wp-content/uploads/2016/09/IMG_9448.jpg” name=”タカジム” type=”l fb”]確定申告書提出までのスケジュールは毎年年末には必ず確認するようにしましょう。提出の期限だけでなく納付期限も3月15日になっていることには注意が必要です。[/voice]
まとめ
[voice icon=”https://yz-actax.com/wp-content/uploads/2016/09/IMG_9649.jpg” name=”タカジム” type=”l line”]確定申告について説明しました。確定申告は、「誤りがないこと」「書類に漏れがないこと」「期限を守ること」が重要です。決算が終わったらすぐに申告書の作成をはじめて、間違いが指摘されても訂正できる余裕をもって作業を進めたいですね。
あと、期限が過ぎても申告書は受け付けてもらえるので、期限が過ぎたからと言ってそのままにしないようにしてくださいね。申告をしなければペナルティが課せられますし、時間が経つほどその額も大きくなってしまうので、余計な支払いが増えないように注意しましょう。[/voice]