税務署は、確定申告していない会社の売上をどのようにしてつかんでいるのか

税務調査は、無申告の会社にも入ることがあります。確定申告していないのに、どうして調査対象になるのか不思議な気がしますが、税務署は様々な方法によって、会社の売上の情報をつかんでいます。

目次

税務署が売上を把握する方法は5つ

税務調査が入るには、会社が事業経営を行っていて、売上があるのが分かっていなければ行けません。

確定申告していれば、それを見れば分かりますが、無申告の場合でも税務署はある程度の売上を把握して税務調査の対象にしてしまうのです。

税務署がどのようにして、会社の売上をつかんでいるのかが気になる所ですが、具体的には5つの方法で把握しています。

 

確定申告書

まずは、確定申告書です。

事業年度が終わったら、その年の売上と経費を記録して、その年の納税額を計算した申告書を税務署に提出します。

申告書には、その会社の売上が記録されていますから、当然ですが、申告書を提出している会社の売上はすぐに分かります。

申告書は、税務署にとっての最も大きな基礎となる情報源です。

 

法定調書

法定調書は、毎年税務署への提出が義務づけられている資料で、
会社の支払いの内容、支払い先、支払い額をまとめた支払調書が主な内容です。

法定調書に含まれる支払調書からどのようにして売上が分かるかと言うと、
たとえば、税理士に支払った報酬も、支払調書の1つとして作成されますが、

「タカジム(高橋良和会計事務所)に報酬として50万円支払った」

 

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(支払調書のサンプル)

 

と記録されていれば、確定申告していなくても、「タカジムでは50万円の売上が上がっている」ことがわかるという仕組みです。

取引の相手方のデータから、売上が分かるパターンですね。

 

資料せん

資料せんは、提出義務はありませんが、税務署が任意でデータを集めるために依頼している資料です。

その内容は、

一定期間の売上、仕入、外注費、仲介手数料、広告宣伝費、について、
取引相手、取引内容、取引額、を記録したものです。

会社の「仕入」や「外注費」は、取引先の「売上」になりますから、資料せんを見ることで取引先の売上が分かるのです。

こちらも、先ほどの法定調書と同じく、取引の相手方のデータから、売上が分かるパターンです。

 

反面調査

反面調査は、税務調査において発見した内容が正しいかどうかを、
取引先に問い合わせをして確かめるものです。

たとえば、田中製麺所の税務調査で、髙橋物産から100万円の小麦を仕入れたことを帳簿で確認内容した場合、

髙橋物産に出向いて、髙橋物産の帳簿に、田中製麺所へ小麦の売り上げが100万円あったことが記録されているかを調べるのです。

 

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税務調査は、その会社の取引内容を調べているだけでなく、取引先の取引内容も同時に調べて、取引内容をつかんでしまいます。

 

登記

会社を設立したときは、会社の名称、所在地、資本金の額、代表者など、重要事項を登記する必要があります。

登記簿を確認することによって、新しくできた会社の存在を確認して、確定申告が行われていない場合は、問い合わせを行います。

また、土地や建物を移転した場合も、登記する必要があるため、
登記簿を確認して土地や建物の移転があるにもかかわらず、確定申告が行われていない場合に、問い合わせを行います。

 

密告

怖い話ですが、密告もあります。

急に一軒家を購入したり高級車を購入するなど、生活が派手になったりすると、周りの人がやっかみ半分で脱税を疑い税務署に連絡してくることがあります。

また、会社を辞めた元従業員が、脱税をしていることを税務署に連絡してくることもあります。

 

このように、確定申告書だけでなく、取引先からの情報や、登記簿のような公開情報、さらに密告まで、税務署は様々な手段で情報を得ているわけですが、実際にどれくらい正確に、会社の売上をつかんでいるかというと、そこまで正確には把握していません。

 

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税務署はどれくらい正確に売上をつかんでいるのか

様々な情報収集の手段を持っている税務署ですが、税務調査に入る前に、会社の売上を正確に把握できているかといえば、そこまで正確には把握できていません

確定申告書が提出されていれば、正確に売上が分かりそうですが、そこに記録されているのは数字だけです。

実際には、売上に漏れがあったり、経費と認められないものが経費に含まれていたりしても、申告書だけでは、それも分からないのです。

また、取引先の情報から売上をつかむこともできますが、
会社が取引している全ての会社から情報を得られているかどうかは分かりません

資料せんは提出が任意ですし、法定調書は提出義務がありますが、その内容に漏れがないとも限りません。

また、税務署の人員の関係ですべての取引先の支払調書をくまなく調べることも、現実的には不可能です。

ですので、税務署には情報を得る手段がたくさんありますが、
正確に売上が分かるわけではないのです。

もし、すべての経費が分かっているのであれば、
税務調査をする意味がありません。

税務調査の存在自体が、正確な売上や経費の数字を確かめられていないことを証明しているのです。

税務署が、税務調査しなくても、あらゆる情報を収集して正確な数字をつかんでいるというのは誤りなのです。

 

まとめ

税務署は、確定申告以外にもあらゆる手段を使って、納税者の情報を収集しています。ですが、そこまで正確な数字をつかんでいるわけではありません。税務調査がきても、必ずしも脱税を証拠をつかんで来ている訳ではないので、あまり恐れる必要はありません。
 

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