個人事業主の青色申告のメリット

青色申告は、法人以上に個人事業主に節税のメリットがあります。同じ申告をするなら、迷わず青色申告を選びましょう。

個人事業主の青色申告のメリット

青色申告は、法人以上に個人事業主にとって、大きなメリットをもたらしてくれる申告の方法です。

 

 

65万円の控除を受けられる

個人事業主の青色申告のメリットで最も分かりやすく、大きいのがこれです。

 

 
個人事業主が支払う税額の計算は、次のように行われますが、

 

 

 
式を見てみると、税金の支払いを少なくするには、

 
・「所得」を少なくする
 
・「控除」を多くする
 
・「税率」を下げる

 
この３つしかありません。

 
「税率」は法律で決まっていますから、個人の裁量ではどうにもならないので、節税の方法としては、

 
・認められる経費を漏れなく申告して、「所得」を減らす

 
・利用できる控除の制度を漏れなく利用して、「控除」の額を増やす

 
この２つを考えていくことになります。

 
青色申告を選ぶと、「青色申告を行っている」という理由で、「控除」の額が65万円になるのです。

 
白色申告では、控除の額が10万円しかありませんから、その違いの大きさが分かると思います。

 

 

家族への給与の全額を経費にできる

個人事業主が家族に仕事を手伝ってもらっている場合、家族に支払う給与の全額を「経費」として申告することができます。

 
白色申告の場合、86万円（配偶者以外なら50万円）しか控除できませんから、青色申告との差は非常に大きくなります。

 
ただし、青色申告を使って給与を経費にしてしまうと、扶養控除や配偶者控除の対象から外れてしまう点には注意して下さい。

 
配偶者控除は年間38万円ですので、給与の額がそれを下回るようなら、経費にしない方がトクになります。

 

 

純損失の繰越控除

事業で赤字が出てしまったときに、その赤字を繰り越して翌年度以降の所得と相殺することができます。

 

 
具体例で説明します。

 
平成２７年度に１００万円赤字が発生。  
平成２８年度は、一転して５０万円の黒字を獲得したケースを考えます。

 

 

 
先ほども見たように、個人事業主の税金の計算は、

 

 

 
所得から控除を引いた金額に、税率をかけて計算します。 
すると、このケースの平成28年度の法人税の支払い額は、

 
 

 
と計算されることになります。

 
ですが、青色申告を選択していると、以前の事業年度で赤字が発生した場合、その赤字の額を所得からマイナスすることができるのです。

 

 
これなら、平成27年度の赤字の額は100万円で、28年度の黒字50万円を上回っていますから、

 
平成28年度の所得50万円は、全額マイナスできます。

 
すると、先ほどの税額の計算は、

 

 
このようになるので、税金の支払い額もゼロになるのです。

 

 
この、過去の事業年度で発生した赤字を繰り越して、黒字の年の所得からマイナスできるのが、「純損失の繰越控除」です。

 
青色申告を選ぶとこのメリットも受けることができます。

 

 

30万円未満の償却性資産を、一括して経費にできる

機械やPCなど、使えば使うほど価値が減って、寿命に近づいていく資産（＝償却資産）を購入した場合には、

  
購入額を利用期間に渡って、経費として配分していくことになります。  
この資産の購入額を経費として配分する仕組みを、”減価償却”と言います。

 

 
ただ、図を見れば分かるとおり、減価償却の場合、利用期間が経過しないと、購入額の全額が経費にならないことになります。

 
ところが、青色申告を選択している個人事業主の場合は、30万円未満の償却性資産なら、購入した年度に購入額の全額を経費にすることができます。

  
経費にできる額は同じ（資産の購入額）ですが、できるだけ早いタイミングで経費にできると、節税の効果が早く現れる分、会社にとってメリットになります。  
（なぜ、早期に節税の効果が現れるとメリットになるのかは、別の記事で触れます）

 

 

 

まとめ

確定申告には白色申告と青色申告がありますが、 
個人事業主でも節税のメリットが大きい”青色申告”を選びましょう。
  
青色申告の手続については、こちらの記事で扱っています。
 

おまけ

マンチェスター・シティーに、0-1から4-1で逆転したスパーズは強い！ 
シティーはローテーションが上手くいってないみたい。