確定申告の種類には大きく分けて2つあります。「企業者」と「白色申告」です。選ぶなら、メリットの多い「青色申告」にしましょう。
青色申告のメリット
青色申告には様々なメリットがありますが、節税の効果が大きいものを3つを紹介します。
欠損金の繰越控除
ある事業年度で赤字が出たとき、翌年度以降に赤字を繰り越して、課税所得から控除することができます。
具体的に説明します。
平成27年度に100万円赤字が発生。
平成28年度は、一転して50万円の黒字を獲得したケースを考えます。
法人税の支払い額の計算は、
このように、課税所得に税率をかけて計算します。
すると、このケースの平成28年度の法人税の支払い額は、
と計算されることになります。
ですが、青色申告を選択していると、以前の事業年度で赤字が発生した場合、その赤字の額を課税所得からマイナスすることができるのです。
こうなると、平成27年度の赤字の額は100万円で、28年度の黒字50万円を上回っていますから、
平成28年度の課税所得50万円は、全額マイナスできます。
すると、税額の計算は、
になるので、当然ゼロになります。
これが、「欠損金の繰越控除」です。
青色申告を選ぶと、このメリットを受けることができます。
30万円未満の償却性資産を、一括して経費にできる
機械やPCなど、使えば使うほど価値が減って、寿命に近づいていく資産(=償却資産)を購入した場合には、
購入額を利用期間に渡って、経費として配分していくことになります。
この資産の購入額を経費として配分する仕組みを、”減価償却”と言います。
ただ、図を見れば分かるように、減価償却の場合、利用期間が経過しないと、購入額の全額が経費にならないことになります。
ですが、青色申告を選択している中小企業者の場合は、30万円未満の償却性資産なら、購入した年度に購入額の全額を経費にすることができます。
経費にできる額は同じ(資産の購入額)ですが、できるだけ早いタイミングで経費にできると、節税の効果が早く現れる分、会社にとってメリットになります。
(なぜ、早期に節税の効果が現れるとメリットになるのかは、別の記事で触れます)
機械などを取得した場合の、特別償却・税額控除
中小企業者が高額の資産を取得した場合に、通常の減価償却よりも早いタイミングで、資産購入額を経費として配分することができます(=節税の効果が早く現れます)。
具体的には、次のような資産が対象になります。
対象となる資産がかなり広いので、利用できる会社は、多くあると思います。
特別償却・税額控除の細かい計算方法は煩雑になりすぎるので省きますが、いずれも、節税効果が早期に現れる点で、会社のメリットになります。
まとめ
確定申告には白色申告と青色申告がありますが、
節税のメリットが大きい”青色申告”を選びましょう。
青色申告の手続については、こちらの記事で扱っています。
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