国税庁のHPで公開されている源泉徴収票のフォーマットを見ると、マイナンバー制度導入後は、マイナンバーを記載して上で提出することになっています。ただし、従業員用の源泉徴収票では扱いが異なるので注意が必要です。
法定調書として税務署に提出する源泉徴収票
個人の納税は、確定申告で行いますが、
会社に勤める従業員の納税は、従業員が納めるべき税金を会社が一時的に預かって、国に納める源泉徴収によって行われます。
源泉徴収によって、どのような計算が行われて、いくら国に納めるかの明細にあたるのが源泉徴収票。
会社は、源泉徴収によって納めた金額が正しいことを証明する資料として、源泉徴収票を税務署に提出することになっています。
国に提出する源泉徴収票は法律によって作成と提出が義務づけられているので、この場合の源泉徴収票は法定調書(法律で決められている調書)に位置づけられています。
この税務署に提出する源泉徴収票は、マイナンバー制度によって影響を受ける書類の一つで、
提出の際には、従業員とその家族ののマイナンバーを記載することになっています。
(出典:国税庁「国税分野における社会保障・税番号制度導入に伴う各種様式の変更点」
「個人番号」の所がマイナンバーを記載する箇所です)
従業員に渡す源泉徴収票
源泉徴収票は、税務署に提出するためだけに利用されるわけではありません。
従業員が住宅ローンを組む場合などに、収入を証明するために利用することもあります。
その場合に問題になるのがマイナンバーです。
税務署に提出する源泉徴収票にはマイナンバーが記載されていますが、これをそのまま従業員に渡した場合は、マイナンバーが漏れる可能性があります。
会社がマイナンバーを漏らしてしまうと、ペナルティを課される可能性がありますので、
「会社はそんなリスクを負ってまで、マイナンバーを記載した源泉徴収票をわたさなきゃいけないのか」
と議論になっていたのです。
ですが、この論点について国税庁からの方針が示されました。
それが、こちら。
(出典:国税庁「法定調書提出義務者・源泉徴収義務者の方へのお知らせ」)
「従業員に渡す源泉徴収票についてはマイナンバーを記載しない」ことになりました。
ここまで明言していますので、反対にマイナンバーを記載したまま渡してしまうと、マイナンバーが漏れたときに会社の責任が問われる可能性があります。
まずは、従業員に渡す源泉徴収票の取り扱いは、税務署提出用と変える必要があることを、確認しておきましょう。
具体的な方法は、今後説明していきます(未だ明確でないところもあり、もう少し研究が必要なためです)。
まとめ
税務署提出用の源泉徴収票にはマイナンバーですが、従業員に渡す源泉徴収票にはマイナンバーを記載しないことになりました。
扱いを変える必要があることを抑えておきましょう。
おまけ
源泉徴収票にマイナンバーの記載が必要になるのは、2017年1月以降提出分からです。
準備は焦らなくてOK。ただし、早く準備しておいた方が良いこともあります(スケジュールについてはこちらの記事で扱っています)。