会社の確定申告は年に1度ですが、期中にはもう一つの申告があります。期首から6ヶ月を対象にした中間申告です。
中間申告は期首からの6ヶ月間を対象とした申告
中間申告は、会計期間が6ヶ月を超える会社について(会計期間が1年の会社がほとんどですから、概ねどの会社にもあてはまります)、期首から6ヶ月の期間を対象にして法人税等の申告を行うというものです。
法人税の額が決まるのは、期末後に行う確定申告ですが、その支払いは中間申告時と確定申告時の2回に分けて行う必要があります。
会社にとってのメリットとしては、税金の支払いによる資金繰りへの影響を分散できるので、確定申告時に税金が大きすぎて、資金不足に陥るリスクを減らせること。
国にとっては、1度に大きく徴収するよりも、2度に分けて半分ずつ徴収する方が、確実に徴収できることが考えられます。
どちらかというと、徴収する側の都合で作られた制度と言えるでしょう。
中間申告の期限は期首から6ヶ月後から2ヶ月以内。
(3月決算の会社なら、11月30日まで)
また、法人税以外に法人住民税、法人事業税、地方法人税についても中間申告が必要なので注意が必要です。
(消費税も中間申告が必要ですが、法人税等とは性質が異なるので別に扱います)
中間申告の種類
中間申告には2種類あります。
予定申告
1つは予定申告です
予定申告は前年の法人税、法人住民税、法人事業税、地方法人税の1/2を申告して支払うものです。
単純に前年の税額の半分を支払うという方法で、手間もかからないので簡単です。
仮決算
もう1つは、仮決算による方法です。
期首から6ヶ月の期間を対象にして決算を行い、そこで計算された利益をベースにして確定申告と同じように、税金の支払い額を確定させる方法です。
中間と期末の2回、決算をすることになるので、会社にとってはかなりの負担になります。
どちらを選ぶか?
「予定申告」と「仮決算」のどちらを選ぶかですが、これは簡単、「支払いが少なくなる方」が答えです。
どちらにしても、合計で支払う額は同じですから、支払いは遅らせた方が有利です(別に利子を支払うわけでもないですしね)。
特に、上半期の業績が悪く、資金繰りが悪化している状況であれば、少しでも手元資金を多く持っておくために、手間はかかりますが「仮決算」の方法を選択しましょう。
まとめ
中間申告は期首から6ヶ月後から2ヶ月以内に行います。
「予定申告」と「仮決算」の2種類がありますが、支払いが少なくなる方を選ぶと、資金繰りには有利に働きます。
おまけ
経理部門で扱った初めての税務業務が、中間申告だったのですが、「予定申告」を選択していたので、あまりの手応えのなさに不安になった覚えがあります。