会社を辞めた後の年金と健康保険の減額申請

独立や結婚、就学などのために会社を辞めた後も、年金と健康保険の保険料の支払いは続きます。退職後に支払いの負担をできるだけ軽減するために保険料の減額申請を知っておきましょう。

目次

まずは変更手続が必要です

独立、結婚、就学、あるいは治療などの理由で会社を退職される方がいらっしゃると思います。周到な準備をしてやめる場合はいいのですが、突然そのような状況に陥らないとも限りません。年金や健康保険などの社会保険については会社にお勤めの間はほとんど気にする必要がありませんので、その手続きや金額がどうなっているかをご存じない方も多くいらっしゃいます。

まずは退職後に年金、健康保険ともに変更の手続きが必要なことを覚えておきましょう。お知らせはありますが遅くなりますので、ご自身で動きましょう。

年金:厚生年金から国民年金への変更手続

会社で厚生年金保険に入っている配偶者がいる場合は、配偶者が勤務されている会社を通じて保険料を支払うのが有利です(ただし、収入による制限あり)。そのためには「配偶者の分も一緒に会社から年金保険料を支払うことになりました」という届け(=被扶養者(異動)届)を会社を通じて出さなければいけません。ですので、必ず会社で手続きをしてもらうように、配偶者に依頼して下さい。

会社で厚生年金に入っている配偶者がいない場合は、ご自身で保険料を納めることになります。その場合は国民年金への切替手続をします。
退職後に受け取る年金手帳・離職票と印鑑をもって市区町村の役所へ出向きます。担当課で「種別変更届」を出してくれますのでそれに必要事項を記入して提出するだけです。記入は簡単ですが、年金手帳は基礎年金番号、離職票は退職日の記入に必要なので忘れずに持って行きましょう。

健康保険:会社の健康保険を任意継続するか国民健康保険へ切替える

会社に勤めている間は会社や会社が所属する業界が運営する健康保険組合や全国健康保険協会(=「協会けんぽ」)に加入しています。退職すると任意継続によってそれまで加入していた保険組合や協会に留まるか(期限あり)、国民健康保険へ移るかを決めて手続きをしなければなりません。

どちらを選ぶかについては両者で保険料を比較して有利な方を選ぶのが良いでしょう。任意継続については退職後に組合・協会から資料が送付されますのでそこで金額が確認できます。国民健康保険はお住まいの市区町村の担当課に連絡して「保険料の試算をお願いします」と依頼すれば教えてもらえますので問い合わせてみましょう。

どちらにするかを決めたら、任意継続なら送られてきた申請書に記入して組合もしくは協会に送ります。国民健康保険なら会社で加入していた健康保険から脱退した年月日が分かる資料(資格喪失証明書、退職証明書、離職票など)を持って市区町村の役所へ出向き手続きし ます。

減額申請

国民年金は1月あたり保険料が15,250円、国民健康保険は収入にも拠りますが30,000円を超える額を支払う必要があります。退職により一時的にでも収入が少なくなった人にとっては大きな負担です。次の仕事が決まるまで、事業が軌道に乗るまでの間は少しでも負担を抑えたいところ。そのような事情の方のために国民年金にも国民健康保険にも減額の制度があります。

国民年金

収入の減少や失業等により保険料を納めることが難しいときは、申請によって保険料の減額や支払いを待ってもらえる場合があります。
手続きは「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」に必要事項を記入して、お住まいの市区町村の役所に提出して完了です。その際に必ず基礎年金番号の確認等が必要となるので年金手帳も持参して下さい。また、失業による減額申請の場合は失業の事実を証明する資料として雇用保険受給資格者証や雇用保険被保険者離職票などの提示が求められますので、持参するようにして下さい。

以下に「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」の記載例を載せておきます。

Application sample

国民健康保険

国民健康保険は加入手続きをすることにより前年の所得を審査して保険料を決定しますので、収入の減少による減額については特に申請する必要はありません。
ただし、倒産等による会社都合による解雇の場合は前年の所得とは無関係に保険料を減額してもらえますので、国民健康保険の加入手続きの際に、その旨をお住まいの市区町村の担当課に伝えて下さい(倒産などで職を失った失業者に対する国民健康保険料(税)の軽減措置)。
手続きの際には、会社都合による解雇であることを証明するために雇用保険受給資格者証等の提示が求められるので持参するようにして下さい(必要な書類は市区町村で異なりますので事前に確認して用意しましょう)。

国民年金は支払い方法による減額も

収入の減少などを理由とする減額制度とは違いますが、国民年金は支払い方法によって保険料を安くすることができます。将来の保険料をまとめて支払う代わりに保険料が減額される前納制度ですが、これが平成26年4月から拡大されました。それまで、1年分まで前納が認められていて割引額が3,840円だったのですが、平成26年4月からは2年分まで認められて割引額が14,800円と約1月分が減額されることになりました。前納できる期間とそれに応じた減額幅がこれまで以上に広がったのです。
まとまったお金が必要ですが(1年なら179,160円、2年なら355,280円)払えるなら前納の方が断然お得です。資金に余裕がある方は是非参考にしてみてください。
「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」に必要事項を記入して預金口座のある金融機関か年金事務所に提出すれば手続きは完了です(年金番号、金融機関届出印の押印が必要)。

まとめ

年金も健康保険も退職後には大きな負担となって家計を圧迫します。負担を軽減する制度があることを知って、新たな出発に向けての準備のためにお金を使えるようにしましょう。
<おまけ>
週末にfootballのビッグマッチがたくさんあって時間が足りません。全部見るのに1週間はかかりそうです。

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