税務調査は、毎年全ての事業者に対して行われる訳ではありません。多数ある事業者の中から調査対象が選ばれる訳ですが、中には、「調査対象になりやすい業種」もあります。
税務調査も効率重視
”不正が見つかる可能性が高い業種”が対象になりやすい
税務調査は、毎年、法人税で約9万5千件、所得税で約5万件が行われています。
毎年膨大な数の税務調査が行われるわけですが、それが可能になるのは、各地域の税務署が目標となる件数を掲げて、それを達成するように努力しているからです。
逆に言うと、目標の件数を達成できなければ税務署にとっては一大事。
なので、
税務署は目標件数達成を達成するために、効率を重視して税務調査を行っている
のです。
ただ、税務署が目標にしているのは、件数だけではありません。
もう1つ目標にしていることがあります。
それは、
「間違いを見つけ出して、できるだけ多くの税金を取る」
と言うもの。
「件数」は、言ってみれば最低限の目標。
これがクリアできた上で、次に「税金を多く取る」ことが目標になってきます。
このような事情が分かると、税務署の本音が見えてきます。
つまり、税務署は、
”不正や間違いが見つかりやすい会社、事業所を調査したい”
と言うこと。
簡単に不正や間違いが見つかれば、効率よく税金を多く取ることができて、2つの目標を同時に達成することになるからです。
このような調査官の事情を考えれば、税務調査の対象に選ばれやすい業種があることも分かっています。
そうです、”不正や間違いが見つかりやすい業種こそが、税務調査の対象になりやすい業種です。
税務調査の対象になりやすい業種
では、具体的にどのような業種が調査対象になりやすいかですが、
次のような業種です。
・不動産業
・プログラマーなどIT系
・風俗業
不動産業とIT系は、1件当たりの取引が大きく、売上や利益の変動が大きいことから、脱税への誘惑が強く働き不正が見つかりやすい業種であるため。
また、風俗業については現金商売でお金の流れが掴みづらく、売上の漏れなどが起こりやすいことから、脱税につながりやすい業種であるためです。
同じ観点から、業種ではありませんが、税務調査が入りやすい事業者として、
・売上、利益の変動が大きい
・前年に比べて原価率(売上に対する原価の比率)が急激に高くなった
・従業員数に対して人件費の額が大きすぎる
・利益が小さく経営者の報酬も小さいのに、プライベートで不動産を購入している
・現金商売
など、不正による脱税が疑われる事業者が挙げられます。
税務調査に入られやすい業種、事業者であるかは関係ない
ここまでで、税務調査に入られやすい業種、事業者について見てきましたが、このような情報に意味はありません。
というのも、どのような業種にも、どのような会社にも税務調査が入る可能性はあるからです。
税務調査の対象になったからと言って、脱税を疑われているという訳でもありませんし、脱税の疑いを持って調査を行う場合と、そうでない場合を比較すれば、後者の方が圧倒的に多いのが現実です。
ですので、
「事業を行っている限り、税務調査は来るもの」
くらいの気持ちを持って、税務調査が来ても問題が無いように、普段から経理、税務の体制を整えることを考えておくのがオススメです。
まとめ
税務調査は、”不正や間違いが見つかりやすい業種”に入りやすい傾向があります。ただ、全ての業種に税務調査は入りますので、いつかは税務調査はあると考えて、普段の経理、税務体制を整えておくようにしましょう。
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