源泉徴収が必要な「報酬・料金」をわかりやすく解説

源泉徴収は、給与や報酬を支払う側が税金分を差し引いて、
国や自治体に税金を納める仕組みです。
源泉徴収が必要な支払で、ついわすれがちなのが、「報酬」と「料金」。
どのようなケースで源泉徴収が必要なのかを理解して、
源泉徴収もれがないようにしておきましょう。

目次

源泉徴収漏れにはペナルティあり

源泉徴収は、先述の通り、

 

給料や報酬を支払う際に、支払う側税金分を差し引いて国や自治体に税金を納める

 
仕組みです。

 

源泉徴収は、給与や報酬を支払う側の義務

つまり、義務を怠るとそれに対するペナルティがあります。
具体的には、

 

・源泉徴収の義務を怠ったことに対する罰金(=不納付加算税)

・期限までに税金を納めなかったことによる利子(=延滞税)
 (税金の未払いは、「国や地自治体からお金を借りている」と考えられるため、利子が発生するのです)

 
の2つです。

しかも罰金と利子の額がかなり強烈で、

 

・罰金(=不納付加算税)
 1)自分で気づいて納める場合:支払い額の5%
 2)税務調査で指摘されて納める場合:支払い額の10%
 (出典:国税通則法 第67条)

 

・利息(=延滞税)
 1)期限から2ヶ月以内:年率2.8%
 2)期限から2ヶ月超:年率9.1%
 (出典:国税庁HPタックスアンサー 「No.9205 延滞税について」)

 

「うっかりして漏れていた」で支払うには高すぎる金額です。
源泉徴収が必要なケースを理解して、「取り忘れ」「納付漏れ」がないようにしましょう。

 

 

源泉徴収が必要な「報酬・料金」等

源泉徴収の「取り忘れ」「納付漏れ」がおきやすいのは、
イレギュラーな取引のケース。

具体的には「報酬・料金」の源泉徴収です。
(給与などの場合は毎月のことなので、漏れることはほとんどありません)

 
どのような「報酬」や「料金」の支払で源泉徴収が必要か理解しておきましょう。

※なお詳細は、国税庁HP「源泉徴収のあらまし 第5 報酬・料金等の源泉徴収事務」に記載されています。

 

原稿料・講演料

原稿の依頼をした時に支払う原稿料
講演を依頼したときに支払う講演料です。

 

弁護士、公認会計士、司法書士など資格を持つ人への報酬

弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、税理士、計理士、
会計士補、社会保険労務士、弁理士に

仕事を依頼した時の報酬です。

ただし、通常必要な範囲の交通費、宿泊費については
源泉徴収は不要です。

 

プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、
モデルなどに支払う報酬・料金

専属契約等を結んで、契約金や報酬を支払う場合は、
源泉徴収しなければいけません。

プロのクラブやプロスポーツ選手や事務所に所属するモデルなど
に支払われる契約金や報酬が該当します。

 

芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金

芸能事務所に所属する芸能人に支払われる報酬、もそうですが、
芸能事務所を経営者に支払われる報酬も源泉徴収の対象になります。

 

広告宣伝のための賞金

懸賞つきのクイズや、抽選によって当たる賞金や賞品、
TV番組などで競技の勝者に贈られる賞金や賞品などが該当します。

 

 

「この支払いは、源泉大丈夫?」と常に疑ってみる

源泉徴収は、最初、難しく感じるかもしれません。

「これと、これと、これは源泉徴収が必要」

と覚えるのもいいですが、まずはどんな支払いについても、

 

「この支払いは源泉大丈夫?」

 

と考えるクセをつけてみましょう。

それから、

 

「源泉徴収の義務があるのは誰か?」

「源泉徴収の対象はどうだったか?」

「源泉徴収の対象になる報酬・料金に何があったか?」

 
と順番に考えていくと、源泉徴収の要否が分かってきます。

「源泉徴収の義務」「源泉徴収の対象」については、
こちらの記事で扱っています。

 

 

まとめ

「源泉徴収が必要な報酬・料金」は納付漏れが起きやすい項目です。
どのようなものが対象になるかを理解して、不要な支払を避けるようにしましょう。

 

おまけ

国税庁のHPで公開されている「源泉徴収が必要な報酬・料金」の具体例は、相当細かく説明されています。
頭から覚えるのは大変なので、まずは大枠からおさえていきましょう。

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(出典:国税庁HP  確認用につかうのが正解です)

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