ふるさと納税と確定申告

「ふるさと納税」は、自分が選んだ自治体に寄付をする制度です。寄付をした見返りとして贈られる特産品が注目されますが、寄付した金額の大部分が所得税、住民税のキャッシュバックとして返ってくるのも大きな特徴。ただし、所得税、住民税のキャッシュバックを受けるために「確定申告」か「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の手続が必要です。

目次

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税は、「納税」と呼ばれてはいますが、その実態は「寄付」です。
自分が寄付をしたい自治体を選んで寄付をすることによって、2つのメリットが得られます。

ふるさと納税の手続

ふるさと納税は、自分が寄付をしたい自治体(たとえば、自分が生まれ育った県や市、かつてお世話になった町など)を選んで、寄付を申し込みます。

 
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(私が育ててもらった愛媛県四国中央市(前:宇摩郡新宮村)のふるさと納税のページ)

 
手続は、自治体のHPにあるフォームに必要事項を入力して、申請した金額を支払うだけ。
支払もクレジットカード、銀行振込、現金書留から選べるので便利です。

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ふるさと納税の手続はこれで完了。意外と簡単です。

 

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税によって、自治体に寄付をすると次の2つのメリットが得られます。

 

①寄付をした自治体の特産品が贈られる

②寄付をした金額のほとんどが、所得税と、今住んでいる自治体の住民税から
 キャッシュバック(=返金)される

 

①については、四国中央市を例にとると、このような
 
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(新宮のお茶は本当にうまい!)

 
イチオシの特産品がいくつか用意されているので、好みのものを選んでおくと、後日、自宅に送ってもらえます。

 
②は、誤解されやすいところなので、少し注意しておいてください。
「ふるさと納税したお金がキャッシュバックされる」というと、何だかその分だけトクしたような感覚になりますが、そうではありません。

ふるさと納税として支払った金額を、その年の所得税住民税一部に充てることで、すでに支払っている所得税と住民税からキャッシュバック(=返金)を受けるというだけです。

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(実際には、ふるさと納税した額から2,000円を引いた残額(10万円寄付した場合98,000円分)がキャッシュバックの対象になります)

なので、「税金(所得税と住民税)の支払い」の観点からすると、
ふるさと納税を”した場合”と”しない場合”とで、(ふるさと納税した分を含めて考えれば)税金の支払い額はほとんど変わりません

むしろ、ふるさと納税をした場合は、キャッシュバックを受けられない2,000円分だけ多く支払うことになるので、ふるさと納税でメリットがあるかどうかは、この「2,000円」と「贈られてくる特産品」とを比較して判断することになります。
(複数の自治体に寄付すれば、贈られてくる特産品も増えるので結局はメリットがあると思います)

以上がふるさと納税の仕組みです。
手続自体は簡単ですし自治体の特産品を受け取れるメリットがありますが、所得税と住民税からキャッシュバックを受けるには、これだけでは足りません。
確定申告が必要になります。

 

 

ふるさと納税の確定申告

ふるさと納税で確定申告が必要な理由は、ふるさと納税のメリットの一つである、

ふるさと納税分について、所得税と住民税からキャッシュバックを受ける

ための手続だからです。

確定申告は、ふるさと納税の「領収書」か、ふるさと納税した自治体が発行する「寄付金受領証明書」に基づいて、申告書を作成し提出することになります。
受け取った領収書寄付金受領証明書は重要な書類になりますので、なくさないように保管しておきましょう。

具体的な記載方法については、細かくなりすぎるので省きますが、資料さえあれば比較的簡単に作成できますので、記載例などを確認しながら作成してみて下さい。

 

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(出典:総務省HP 詳しい記載例が公開されています)

 
※ふるさと納税以外の記載も含まれるので、作成が難しい場合は税理士等の専門家に相談しましょう

ふるさと納税の確定申告は、源泉徴収されている会社勤めをされている方も必要なのですが、

・もともと確定申告が必要のない方(会社勤めをされているかたなど)

2015年4月1日以降のふるさと納税

・ふるさと納税した自治体の数が5つ以内

の3つの条件が揃っている場合は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の手続を行えば、確定申告をしなくてもキャッシュバックをうけられるようになりました。

 

 

ふるさと納税ワンストップ特例制度

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用するには、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を作成して、ふるさと納税した自治体に提出すればOKです。
 

スクリーンショット 2016 01 03 1 53 11(「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」)

 
記載内容は、

・氏名、住所、生年月日等の情報

・ふるさと納税の額

・「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用する条件を満たしている旨

などで、難しいところはありません。

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」は、総務省のHPからダウンロードできますので、忘れずに作成して提出するようにしましょう。

なお、複数回寄付した場合は、その都度申請書の提出が必要になりますので注意して下さい。

 

 

まとめ

ふるさと納税で確定申告が必要なのは、ふるさと納税した金額のうち、2,000円を超える部分についてキャッシュバックを受けるのに必要な手続だからです。
また、もともと確定申告が必要のない会社勤めをされている方については、確定申告よりも手続が簡単な「ふるさと納税ワンストップ特例制度」によって「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」をふるさと納税した自治体に提出することで、キャッシュバックをうけることもできます。
 

おまけ

2,000円を超えるふるさと納税の全額がキャッシュバックを受けられる、
ふるさと納税の金額について上限が決まっています。

 
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(出典:総務省HP 2,000円を越えるふるさと納税の全額がキャッシュバックされる、ふるさと納税額の上限の目安)

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