個人事業主が納める税金の種類と計算方法、納付期限のまとめ

事業を始めると、年に1度確定申告をして税金を納める必要があります。個人事業主の場合、どのような税金がかかり、どのタイミングで支払わなければいけないのかを知っておくと、税務にモレがなくなるだけでなく、資金繰りの計画も立てやすくなりますよ。

 


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個人事業主にかかる税金の種類

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個人事業主にかかる税金は、「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」「固定資産税」の5つです。個人事業主の税金は、この大きな枠組みをおさえるところから始めましょう。

個人事業主が納める税金の中で最も大きいのが、所得税で、国に納める税金の1つです。

個人事業主が作成するのがこちらの確定申告書ですが、

 

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表題を見ると、「所得税及び復興所得税の確定申告書」と記載されていて、確定申告のメインが所得税であることが分かります。

所得税は、所得(儲け)に対して課税される税金で、所得の種類によって、

所得の種類
事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

10種類に区分されますが、

 

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個人事業主の場合、事業で得た所得(儲け)である事業所得が、その中心になります。

 

次は住民税です。住民税は、地方自治体が提供する交通網の整備、ゴミ処理、防災、治安維持などの行政サービスに対する負担を目的にした税金で、地方自治体に納めます。

住民税には都道府県民税と市区町村税があり、両方の自治体に納めることになります。

 

次は、個人事業税です。事業を行う上で利用している自治体のサービス(交通網の整備、ゴミ処理、防災、治安維持など)に対する負担を目的にした税金で、都道府県に納めます。

住民税と似ていますが、住民税は自治体に住む個人が対象になるのに対して、個人事業税は、自治体の事業者が対象になるところが異なります(個人事業主の場合、「自治体に住む個人であり、事業者」になります)。

 

次は、消費税です。消費税は国内で物やサービスを買う(消費する)ことに対してかかる税金で、国に対して納めます。
個人事業でも売上が1,000万円を越えてくると消費税を納めなければいけなくなるので注意が必要です。

 

最後に、固定資産税です。

名前の通り固定資産に対してかかる税金で、土地家屋、償却資産に課税されます。

 

個人事業主にかかる税金

1.所得税

2.住民税

3.個人事業税

4.消費税

5.固定資産性

以上の5つが個人事業主にかかる税金です。

 

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ここから税金ごとの説明に入って行きます。
実務で注意すべき重要なポイントに絞って説明していきます。

 

 

所得税

所得税の計算方法

所得税は、次のような式で計算されます。

 

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複雑に見える確定申告書も、この式に従った構成になっているのが分かります。

 

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基本的には、売上から経費を引いた儲け(所得)税率をかけて計算すると考えてもらえればOKです。

少し難しいのが所得控除税額控除
”控除”という言葉で分かるように、納税者の個人的な事情を考慮して、税金を軽減してくれるものである点は同じですが、税金計算の中で果たす役割違います。

所得控除は、計算式にあるように、

 

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所得(儲け)を減らすことで税金を減らします。つまり、税金計算上は経費と同じ効果をもたらすということですね。

所得控除には、次のようなものがあります。

 

所得控除
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、基礎控除

税額控除は、「所得(儲け)×税率」で計算された税額から直接差し引くものです。

 

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所得控除が、「所得控除×税率」分だけ税額が小さくなるのに対して、税額控除対象となる全額が税額を小さくしてくれるので、効果が大きくなります。

税額控除には次のようなものがあります。

主な税額控除
住宅ローン控除、配当控除、外国税額控除、政党等寄付金特別控除、認定NPO法人等寄付金特別控除、公益社団法人等寄付金特別控除

所得税の計算については、もう1つ注意すべき点があります。
それが、税率の使い方です。

現在の所得税の税率は次のようになっています。

 

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円を超え330万円以下 10%
330万円を超え695万円以下 20%
695万円を超え900万円以下 23%
900万円を超え1,800万円以下 33%
1,800万円を超え4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

 

所得(儲け)が大きくなればなるほど税率が高くなる累進課税ですね。

所得の大きさによって7段階に分かれていますが、この税率の使い方に注意が必要なのです。

たとえば、所得が1,000万円の場合を考えてみます。

先ほどの税率表に照らし合わせると、

「”900万円を越え1,800万円以下”は33%だから、
 ”1,000万円×33%”で330万円?」

になると思いますよね。
でも、これは間違いです。

 

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正しい使い方は、所得税率表の区分に分けて該当する税率をかけて計算する方法です。

具体的には、

 

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こうなります。
所得全体に一律の税率をかける場合(=誤った使い方)と比べると、大きく税額が変わるのが分かります。

ただ、これをいちいち計算するのは面倒ですよね。
そこで、この計算をより簡単に行うために、先ほどの税率表にはもう1つのデータが加えられています。

 
所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

(千円未満の端数は切り捨て)

 

「所得税の速算表」と言いますが、右端に「控除額」の列が加わりました。
この表の使い方は、先ほどの所得1,000万円を例にとると、

 

1,000万円×33%ー153万6千円(控除額)=176万円

 

のように、該当する所得区分の税率をかけた計算結果から控除額をひくことで、正しい税額が計算できます。控除額のところで、別区分の所得に対する税額を調整してくれているんですね。

 

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「所得税の税率の使い方」は勘違いしやすいところです。
確定申告書をe-taxで作成する場合は自動計算してくれるので簡単なのですが、紙で作成する場合は「所得税の速算表」の見方を覚えて計算すると間違いを防ぐことができます。

 

納付までのスケジュール

所得税は、次のスケジュールに従って納付します。

 

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所得税の対象となるのは1月1日から12月31日までの期間です。

まず、この期間についての決算を行い、その年の売上、経費、財政状態を確定させて、決算書を作成します。

決算書の作成が終わったら、その数値に基づいて確定申告書を作成。確定申告書は、2月16日から提出できるようになるので、期限の3月15日までに提出します。

注意しなければいけないのは、納付期限も3月15日であること。確定申告書を提出したら、すぐに記載した所得税の金額を納付しなければいけません。ただし、金融機関から口座振替で納付する場合(「口座振替依頼書」の提出が必要です)は、4月中旬から下旬にかけて振替が行われるので、少し余裕をもたせることができます。わざわざ税務署に出向かなくてもよくなくなりますし、資金繰りの面でも時間に余裕ができますので、口座振替による納付はオススメです。

確定申告書の提出期限は3月15日ですが、不備が見つかることもありますので、できるだけ早いタイミングで提出するようにしておくのが大事で、そのためには、年明けに素早く決算を行えるかどうかがポイントになります。

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確定申告書提出と所得税納付の期限が同じ3月15日というのは見落としがち。1月中に申告書の作成を終えて余裕をもって提出するのがベストですが、難しそうならせめて納付を口座振替にしておいて、申告書提出期限と振替のタイミングが重ならないようにしておくと、申告書提出に集中できるので少し余裕ができますよ。
 

 

住民税

住民税の計算方法

住民税は、次のような式で計算されます。

 

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住民税には1人1人に定額で課税される均等割所得(儲け)に応じて課税される所得割の2つがあります。

均等割は、都道府県、市区町村で決められているので、計算は不要。決められた金額を納付することになります。

所得割は、計算式を見てもらえば分かるとおり、所得税と同じように計算します。所得税と住民税の間で違う部分もあるので、その調整は必要になりますが(調整控除額)、計算の仕組みは同じと考えてもらえればOKです(ただし税率は、通常、都道府県税:4%、市区町村税:6%の合計10%です)。

 

住民税には、均等割があるので、所得(儲け)の大小に関わらず課税されますが、所得が一定以下の場合や、自治体が定める他の条件を満たす場合は、課税されません

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自治体から住民税の納付書が届かなくて心配される方がかなりいらっしゃいます。説明の通り、所得が一定のラインを越えていない場合や自治体が定める条件に該当する場合は、住民税がゼロになり、納付書は届かないので安心して下さい。

 

住民税が”高い自治体”と”安い自治体”の差

住民税は、都道府県、市区町村に納める税金で、どれくらいの税金にするかは、各自治体が条例を作って決めることになっています。つまり、同じ所得でも、自治体によって税金の額が変わる可能性があるということですね。

それでは、税金の高い自治体と安い自治体があるかと言うと、確かにあるのですが、その差は非常に小さく結論としては、ほとんどないと考えていいでしょう。

これは、国が住民税のモデルとして提示した「所得割10% 均等割5,000円」に従って各自治体が条例を作っていることが原因です。ただ、住むところによって住民税があまりに違いすぎるのも、税負担の公平性の観点からは好ましいことではないので、自治体による差があまりないことは悪いことではありません。

 

納付までのスケジュール

住民税は、次のスケジュールに従って納付します。

 

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6月の上旬までに市区町村から住民税の納付書が送られてきますので、納付書に記載されてある金額を、4回に分けて(一括でも可。一括の場合は6月末が納付期限)納付していくことになります。

所得税と比較してみると、確定申告書の提出がないことに気づくと思います。これは間違いではなくて、所得税の確定申告書を税務署に提出すると、税務署が各自治体に申告書のデータを送って、それを元に自治体が住民税を計算。計算結果を納付書に記載して私たちに送ってくれているんですね。

なので、確定申告が必要な個人事業主は住民税の申告は不要で、自治体から送付される納付書に従って納付するだけでいいんです。

住民税の納付方法は、納付書にある金融機関から現金で納付するか、納付書がPay-easy(ペイジー)に対応している場合には、インターネットバンキング、ATMを利用しての納付も可能ですが、ほとんどの自治体はPay-easy(ペイジー)に対応していません(こちらのeLTAXのページから各自治体の対応状況を確認することができます)。なので、基本的には現金で支払うことになります。

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住民税は、「よく分からないけど市区町村から納付書が送られてくるからそれに従って納税している」と言う方が多いと思いますが、実態は、確定申告書の内容が税務署から自治体に送られて、それを元に自治体が税額を計算しているんですね。納税者からするとこのように連携してくれるおかげで、住民税の申告書作成・提出の手間が省けてラクができます。納付がもう少し簡単になるといいんですけどね。

 

 

個人事業税

個人事業税を支払う個人事業主

個人事業税は、都道府県に支払う税金です。

法律で決められている業種を営んでいる個人事業主が対象ですが、その範囲は非常に広いので、ほぼ全ての個人事業主が対象になります

ただし、所得(売上ー経費ー控除)の大きさによって、税額がゼロになる個人事業主がかなりいます。

なぜなら、個人事業税は、無条件で290万円の控除(事業主控除)が認められているので、所得が290万円を越えなければ税額はゼロになるから。課税が免れるわけではないのですが、「所得の290万円」のラインによって税金を支払う必要のない個人事業主が出てきます。

 

個人事業税の計算

個人事業税は、次の方法で計算します。

 

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所得税の計算とほぼ同じ仕組みですが、所得控除のところで、「青色申告特別控除(65万円)」がない代わりに、「事業主控除(290万円)」が認められることと、税率が業種によって異なることが特徴です。

なお、税率は業種ごとに次のように決められています。

 
[個人事業税の税率]

税率 業種
3% あんま・マッサージ、指圧・はり・きゅう・柔道整復、その他の医業
4% 畜産業、水産業、薪炭製造業
5% 上記以外

 

納付までのスケジュール

個人事業税は、次のスケジュールに従って納付します。

 

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8月と11月に都道府県税事務所から納付書が送られてきますので、納付書に記載されてある金額を、2回に分けて納付していくことになります。

納付方法は、都道府県の窓口、都道府県税事務所のほか、金融機関での口座振替でも可能です。各都道府県によってはクレジットカードでの支払いに対応しているところもあります。

なお、上の図の通り、個人事業税は確定申告の必要がありませんが、これは住民税の場合と同じで、所得税の確定申告をしておけば、税務署から個人事業税の計算に必要なデータが都道府県に送られて、都道府県で税額を計算して納付書を送付してくれるためです。

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個人事業税は住民税と同じで確定申告の手間がなく、納付も都道府県税事務所から送られてくる納付書に従って納めればOKで手続的にはラクです。ただ資金繰りの観点から、どのタイミングどれくらいの支払いが発生するかは確定申告の際に把握しておくといいですよ。

 

 

消費税

消費税を支払う個人事業主

消費税は全ての個人事業主が支払わなければいけない訳ではありません。
消費税を支払うのは次の条件に当てはまる個人事業主だけです。

 

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売上が1,000万円を越えてきたら、税務上は注意が必要です。

2年後から消費税の支払いが始まるので、それまでに消費税の処理、計算、納付ができる体制を整えておく必要があります(この準備が大事なんですよね)。2年間の猶予はそのための時間でもあります。

 

消費税の計算方法

消費税は、モノやサービスの”消費”に対して税金をかけるものです。

理屈としては”消費”した事実があった時に税金をかけるのですが、全ての商品サービスについて「どのタイミングで”消費”するか」を調べることは不可能ですから、

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と考えて、モノ・サービスの販売時点で取引先から消費税を受け取り、受け取った消費税を国に納めます

1,000円の小麦を取引先に販売した場合を例に取ると、

 

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このようになります。

上図の通り消費税の計算は販売価格消費税の税率8%をかけて計算しますが、その全額を国に納付する訳ではありません

と言うのも、事業者は、モノ・サービスを販売した時に消費税を受け取るだけでなく、仕入れの段階で支払ってもいます

先ほどの小麦を1,000円で販売したケースを例にとると、売る前に小麦を仕入れているはずですから、

 

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仕入れ価格を700円とすると、56円を消費税として支払っているわけです。

とすると、販売時に受け取った消費税全額(80円)を国に納めてしまうと、既に仕入時に支払っている分(56円)が払いすぎになってしまいます。

なので、事業者が消費税を国に納める時は、取引先から受け取った消費税から、仕入先に支払った消費税差し引いた額を納めることになります。

 

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事業者が国に納める消費税
取引先から受け取った消費税仕入先に支払った消費税
消費税の計算
・販売価格(税抜き) × 8%

・販売価格(税込み) × (8/108) 

 

納付までのスケジュール

消費税は、次のスケジュールに従って納付します。

 

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まず、「消費税の計算方法」のところで、「受け取った消費税と、支払った消費税を差し引いた額を納付する」と説明しましたが、これをより簡単に計算する方法(=簡易課税制度)があります。

その簡単な方法で計算することを認めてもらうために、税務署に提出するのが、「消費税簡易課税制度選択届出書」ですが、その提出期限12月31日になっています。

より簡単に計算する方法(=簡易課税制度)の方が、計算の手間を省くことができますし、通常、売上の規模がそこまで大きくなければ、税金の面でも有利ですので、期限までに提出して、この計算方法を使えるようにしましょう。

1年が終わると、決算を行って売上と経費の額を確定させて、消費税を計算します。計算結果に基づいて、確定申告書を作成しますが、2月16日から提出できるようになるので、期限の3月31日までに提出します。

確定申告書提出後は、申告書に記載した消費税額を納付しますが、納付期限は3月31日です。ただし、金融機関から口座振替で納付する場合(「口座振替依頼書」の提出が必要です)は、4月中旬から下旬にかけて振替が行われるので、少し余裕をもたせることができます。

 

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消費税は、納税の義務があるかどうかの判定、簡易課税制度の手続、計算、納付と手間がかかる上に、手続が多くモレが生じる可能性が高いので、タスク管理も重要です。

 

 

固定資産税

固定資産税を支払う個人事業主

所有する土地・家屋には固定資産税がかかります。

なお、事務所の土地・家屋にかかる固定資産税全額自宅の一部を事務所として使っている場合も、事務所として使用している部分については、経費として認められます

所有する償却資産にも固定資産税がかかります。

償却資産は、事業のために使っている資産のことで、事務所で使っているパソコンやテーブル、製造用につかっている機械などが該当します。

償却資産は、長年使い続けるものが多く、購入価額のうちその年に使った分だけを経費にしていくのが(=減価償却)特徴ですが、固定資産税が課税されるのは、期末時点の帳簿価額(購入価額から減価償却した分を差し引いた残りの部分)合計で150万円以上の場合です。

 

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「償却資産を持っているのに、固定資産税を支払ったことがない」という方は、この150万円の基準を越えていなかったことが理由ですね。

固定資産税を支払う個人事業主

・土地・建物を所有している
 (事業用に使っている部分は、経費になる)

・残高合計150万円以上の償却性資産を所有
 

 

固定資産税の計算

土地家屋

土地家屋の固定資産税は、次の式で計算します。

土地家屋の固定資産税の計算

固定資産税評価額 × 1.4%(税率)

「固定資産税評価額」が分かりづらいですが都税事務所(東京23区)、市区町村の税務課にある固定資産課税台帳に登録されている土地、家屋の評価額のことで、国で定めている「固定資産評価基準」に基づいて各自治体が評価・決定しています。

固定資産課税台帳は、都税事務所、市区町村の税務課などで閲覧ができますので直接確認することができますが(手数料がかかります)、土地の場合は時価の60から70%、家屋の場合は建築費用の50%から60%が評価額の目安とされます。

 

償却資産

償却資産の固定資産税は、次の式で計算します。

償却資産の固定資産税の計算

課税標準額 × 1.4%(税率※)

※自治体によっては1.5%のところもあります

課税標準額は、減価償却後の帳簿価額とほぼ同じものです。
ただ、固定資産税の計算については、通常の減価償却の計算とはやや異なる部分があるので、”課税標準額”と言葉を変えています。

課税標準額は次の式で計算します。

償却資産の課税標準額の計算

・前年に購入した償却資産
 
 取得価額 × (減価残存率 × 1/2)

・前年より前に購入した償却資産

 前年の評価額 × 減価残存率

※「減価残存率」は、減価償却後の償却資産の価値を計算するための割合のこと。各自治体のHPにも掲載されています。東京都の場合はココ

 

納付までのスケジュール

固定資産税は、次のスケジュールに従って納付します。

 

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5月から6月上旬にかけて市区町村から納付書が送られてきますので、納付書に記載されてある金額を、4回に分けて納付していくことになります(一括でも可。一括の場合は6月30日が納付期限)。

納付方法は、市区町村の窓口、金融機関、コンビニでの現金での支払いや、金融機関での口座振替も可能です。市区町村によってはクレジットカードでの支払いに対応しているところもあります。納付書の裏面に利用できる支払い方法が記載されていますので、そちらで確認しておきましょう。

なお、上の図で分かるとおり、確定申告書の提出は必要ありません。これは、登録している固定資産のデータを元に市区町村が計算して納付書を送付する仕組みになっているからです。

その代わり、償却資産については、1月31日までに取得した資産について「償却資産申告書」「種類別明細書」等を提出する必要があります。

「償却資産申告書」「種類別明細書」は、次のような書類で、期限までに市区町村へ提出します。

 

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①「所有者の氏名」「住所」「屋号」を記入して押印

②「マイナンバー」「事業種目」「事業開始年月」「担当者」「担当税理士」を記入

③特別償却・圧縮記帳、減価償却方法、青色申告など、該当するものに「○」をつける

④取得価額(購入価額)を記入します。
 「前年より前に取得したもの」「前年に減少したもの」「前年に取得したもの」
に分けて記入して、最後に差し引きで期末にどれだけ残っているかを記入します。

⑤同じ市区町村に2つ以上の事業所がある場合に記入します。

⑥リース資産がある場合は、「有」に丸を付けて、貸し主を記入します。

⑦事業所が「所有」か「賃貸」かを記入します。

 

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①資産の種類(番号で記入する。1.構築物、2.機械及び装置、3.船舶、4.航空機、5.車両及び運搬具、6.工具、器具及び備品)

②資産の名称等(「ノートパソコン」など)

③数量

④取得年月

⑤取得価額

⑥耐用年数

⑦増加事由(番号で記入。1.新品取得、2.中古品取得、3.移動による受け入れ、4.その他)

 

タカジム
固定資産税は、償却資産の申告がポイントです。忘れてしまいがちなので、決算の手続の一部として確認しておきたいところ。

また、償却資産は帳簿価額が150万円未満なら固定資産税がかからない点についても、資産取得のタイミングなどを考えて節税に生かしたいですね。

 

 

まとめ

タカジム
個人事業主の税金について見てきました。所得税が圧倒的に重要ですが、事業規模が大きくなってくると、いつの間にか消費税、固定資産税が加わっていて、そこがモレてしまうこともあります。売上が1,000万円を越えるあたりからは影響が出始めますので、不安な場合は税理士に相談して対応を検討するといいですよ。

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