「経費になるもの・ならないもの」を知って、個人事業主の税金を安くする

事業を行っていると、日々たくさんの「経費」が発生します。
「経費」を正しく理解することは、節税につながりますのでメリットが大きいです。
「経費」の基本的な考え方から、具体的な判定まで、「ここおさえておくと経費のことで困らなくなるよ!」というポイントを説明していきます。

 


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税金計算の仕組みを知ると、「経費」のことを真剣に考えるようになります

個人でも会社でも、事業をやっていると税金のことは切り離すことはできません。
毎年、必ず業績を確定させて、業績を基に税金の額を計算。計算した税金の額を期限までに国や自治体に、納めなければいけないからです。

 

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納税は義務ではありますが、事業を営む個人や会社にとっては、手元からお金が出ていくことを意味します。

事業の究極の目的は、お金を増やすことにありますから、払わなければいけない”税金”とは言え、その額はできるだけ少なくしたいところです。

税金は、事業による”儲け”に税率をかけて計算されます。

 

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この計算式をもう少し分解すると、

 

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こうなります。

税金計算の仕組みが分かると、税金を少なくする方法が3つあることが分かります。

 

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つまり、「売上を減らす」「経費を増やす」ことで、”儲け”を小さくするか、税率を下げるかです。

ただ、事業の目的である「お金を増やすこと」を第一に考えると、わざと売上を小さくすることや、ムダに経費を増やすことは、入ってくるお金を減らし、出ていくお金を増やすことになるので、いくら税金の額が抑えられるからと言っても、やるべきではありません(それ以上にお金を減らすことになるので)。

「お金を増やす」ためにできることは、売上を上げるために必要となる経費を、漏れなく経費にすることです。

そのためには、「経費」にできる支払を知ることが大事。

なぜなら、「経費」は日々の支払の中に含まれているため、どのようなものが「経費」にできるかを知っていなければ、「経費」にできるものを見逃したり、反対に、「経費」にできないものを「経費」にしてしまうことで、あとで罰金をとられて余計な支払いをしなければいけなくなったりするからです。

つまり、「経費」のことを正しく理解することで、税金の支払いを抑えることができ、本当の意味で「お金を増やす」ことにつながります。

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経費を知ることが、税金を減らすことにつながります。
「経費」を知っていると、日常の支払の中に含まれている「経費」に敏感になってくるので、経費の漏れがどんどん減ってきます。

 

 

「経費」は、売上につながる費用のこと

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「経費」のことを考える時、いきなり「家賃は経費になる」「住民税は経費にならない」と言った細かいことを考えると、面倒くさくなります。
その前に、基本的な「経費」の判断基準を知っておけば、理解しやすくなりますよ!

税金を少なくするためのカギになる「経費」ですが、いきなり細かい所を攻めるのは得策ではありません。

「あれ? 今のカフェでの支払い、経費になるんだっけ?」

「このアプリの料金は経費に入れられないのかな?」

と、1つ1つの支払いについて「経費になる」「経費にならない」といといちいち調べていると、途中でイヤになってしまいます。

そうならないためには、最初に、「このような支払が経費になる」という基本的な考え方をおさえておいて、それを具体的な支払の場面にあてはめていくのがオススメです。

 

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では、最初に経費の基本的な考え方を説明しましょう。
「経費」と認められるのは、

 

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です。

法律上も、このような説明になっていて、幅広く認められることになっています。
ただ、これだけでは判断がつきづらいと思います。

ですので、もう少し細かい判断の基準を示しておきます。

 

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まず、「どのように売上につながるか」を具体的に説明できなければいけません。

経費を考える時は、”支払い”にだけ目を向けていてはダメで、「その支払がどのように売上に貢献するのか」を、他人に説明できることが、重要な基準になります。

ただ、支払った時点でその支出が将来の売上につながるかどうかを、正確に予測することはできないので、厳格に考える必要はありません

少なくとも、生活費や趣味のための支出ではないこと、また、売上につながることを期待しての支出であることを説明できればOKです。

 

次に、経費にすることに「”やましさ”がない」ことも大事です。「家族や友人に躊躇なく話せるか」が1つの判断基準になります。

たとえば、遊び目的で出かけたキャバクラの支払を、家族や友人に「経費なんだ」と説明するのは”やましい”ですが、同じお店でもライターとして取材のために訪れて、自分の書いたものが雑誌などに掲載されているなら、「経費なんだ」と堂々と説明することができるでしょう(そう言った雑誌を見せる気恥ずかしさは、とりあえずおいておいて(汗))。

自分の心の内にある「やましさ」は、大事な判断基準になりますので、従うようにしましょう。

 

最後に、レシート、領収書などの証拠が残っていることです。

レシート、領収書は「経費」にするための根拠ですから、必ず手に入れるようにしましょう。経費として認められるために必要なのは当然ですが、経費の漏れを防ぐことにもつながります。

「経費」は会計ソフトへの記録と、レシート、領収書などの証拠があって認められますが、レシート、領収書がないと、どんな支払があったかを忘れてしまいがちですので、会計ソフトへの記録を漏らしてしまうことにつながります。それではせっかくの経費を漏らしてしまうことになるので、支払があったときはきちんとレシート、領収書をもらって、保管するようにしましょう。

ただ、場合によってはレシート、領収書がもらえない、あるいは、もらい忘れた、ということもあると思います。そのような場合は、メモを残しておきましょう。代わりの証拠になります。

メモには、「日付」「支払い先」「支払の目的(飲食代など)」「金額」の4つを記録するようにして下さい。レシートに書かれてある内容を記録すると言うことですね。

もちろん、レシート、領収書をもらう方が簡単ですし、証拠力も高いのでそちらの方がいいんですが、やむを得ない場合は、このようなメモでも証拠の代わりになりますので、「まあ、いいか」と諦めずにメモを残しておきましょう。

 

以上が「経費」を判断するための判断基準です。
「経費」のことを考え時はここから始めましょう。

 

 

「経費」になるもの

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ここからは、「経費」になるもの、「経費」にならないものを具体的に説明していきます。

個別の内容に入って行くわけですが、その際も、ここまでで説明してきた「経費の基本的な考え方」を意識しておくと、分かりやすいですよ。

早速、行ってみましょう。

 

人件費

従業員への給与、ボーナス、退職金などの人件費は経費になります。
ただし、青色申告でない場合は、家族に支払う給与、ボーナスは経費にならないので注意が必要です。

節税のためには、必ず青色申告を選択して、経費として認められる範囲を広げておきましょう。

 

接待交際費

取引先との打ち合わせなどで、会食をした場合の飲食代は経費になります。勘定科目は「接待交際費」として、レシート、領収書を保管するようにしましょう。

また、仕事上付き合いのある方の冠婚葬祭でお渡しする、ご祝儀や香典なども経費になります。

勘定科目は「接待交際費」として、レシート、領収書はもらえないのでメモを残しておきましょう。メモには、「日付」「誰に対するものか」「目的」「金額」を記録しておきます。

 

旅費交通費

取引先回り、営業、取材旅行などで必要な電車代、飛行機代、バス代、宿泊費なども経費になります。

勘定科目は「旅費交通費」で、レシート、領収書を残しておきます。

SUICA、ICOCA、などのICカードを使って移動する場合ですが、チャージしただけでは経費になりません。経費になるのは実際に支払った金額だけです。

なので、ICカードで料金を支払った場合は、その利用区間を記録てその区間の料金だけを経費にします。

旅費交通費については、プライベートの旅行と混同しているかどうかで、税務署が問題にする場合がよくあります。特に同伴者が家族だったり、宿泊先が普段仕事とは関係のない場所だったりすると、強く疑われることになりますので、「どのような案件でそこに出向く必要があったか」が説明できるようにした上で(たとえば、現地で行った仕事のレポートや取材した写真を保存しておくなど)、経費として処理するようにしましょう。

 

取材費

事業に関わる情報を収集するための費用も経費にすることができます。

イベントに参加したり映画を見たりすることで、流行や新しいテクノロジーを知り、自分の事業に役立つ情報を得た場合などは、勘定科目を「取材費」として、レシートや領収書をのこしておけば、経費として認められます。

 

研究開発費

スキルを高めたり知見を広げるためにセミナーを受講することもありますが、これも経費になります。

勘定科目を「研究開発費」としてレシートや領収書をのこしておきます。

ただし、事業に関わりがあることを説明ができない場合は、経費にならないので、どの部分で事業と関わるかを説明できるようにしておく必要があります。

 

新聞図書費

本や雑誌から情報を得て、事業に生かすこともできます。

事業に関わる情報を得るために購入した本や雑誌の費用は、勘定科目を「新聞図書費」としてレシートや領収書を残しておけば、経費にすることができます。

 

家賃

オフィスを構えて、事業経営されている場合は、事務所の家賃は全額経費になります。

一方で、自宅を事務所にして事業をされている方も、多くいらっしゃいます。その場合は、事業で使用している部分の家賃のみが経費になります。”家賃の全額”ではないので注意が必要です。

では、何を基準にして「事業用」と「生活用」に分けるかというと、面積の割合で決めます。

物件の見取り図などを参考に割合を出していきますが、「どこからどこまでを事業用とするか」を決めるのが意外に難しいので、事業用で使う部屋を決めておくのがオススメです。「事業用」と「生活用」の配分は税務調査でもよく問題になるところですが、変な疑いをもたれないように、事業専用で使う部屋を決めた上で、面積を基準に割合を計算すると説得力のある根拠になります。

 

水道光熱費

これも家賃と同じです。
オフィスを構えている場合は、オフィスの水道光熱費全額経費になりますが、自宅をオフィスにしている場合は、事業で使用している部分の水道光熱費のみが経費になります。

では、何を基準にして「事業用」と「生活用」に分けるかですが、
電気の場合は、使用時間コンセントの数、水道、ガスは使用時間をもとに割合を決めます。

自宅をオフィスにして仕事をする場合、仕事で使う時間は大体決まっていますので、1日のうち仕事で使用する時間について事業用にするという考え方です。

また、電気代については、時間だけでなくコンセントの数も基準にすることができます。自宅にあるコンセントの数と仕事で使うコンセントの数の割合で決めるという考え方ですね。

「事業用」と「生活用」の計算の根拠については、必ず記録に残しておいて、その基準に従って計算していることを証明できるようにしておきましょう。そうすることで、税務調査などで質問があった場合でも的確に対応することができます。

 

通信費

電話料金、ネットの回線使用料などの通信費も経費にすることができます。

これも、専用のオフィスを借りている場合は全額経費にすることができますが、自宅をオフィスにしている場合は、事業で使用している部分の通信費のみが経費になります。

何を基準にして「事業用」と「生活用」に分けるかですが、使用時間を基準に割合を決めます。

先ほどの水道光熱費の場合と同じように、1日のうち事業で使う時間について事業用とする考え方ですね。

ネットの回線使用料は難しいですが、電話については事業用とプライベート用を別契約にした方がいいでしょう。安い料金プランもありますし、電話対応もしやすいので、事業用の電話を1つ用意しておくと便利です。

 

自動車関連の費用

事業で自動車を使う場合は、その費用も経費になります。

まず、購入費用は減価償却(勘定科目「車両運搬具」。減価償却については、下記「事務用品」の説明を参照してください)することによって、各事業年度の経費になります。

また、ガソリン代(勘定科目「車両費」)、駐車場代(勘定科目「地代家賃」)、修理費用(勘定科目「車両費」)、保険料(勘定科目「支払保険料」)、税金(勘定科目「租税公課」)なども経費になります。

なお、車を事業用と自家用で兼用する場合は、事業用と認められる部分のみが経費になります。

何を基準にして「事業用」と「生活用」に分けるかですが、走行距離を基準に割合を決めます。

 

事務用品

パソコン、プリンタ、スキャナ、アプリ、WI-FIルーター、文房具、コピー用紙、資料保存用のファイル、本棚、キャビネット、デスク、いす、など、仕事で使う事務用品は全て経費になります。

ただし、パソコンなどで30万円を越えるものについては、減価償却によって複数の期間に渡って経費にしなければいけないので注意が必要です。

たとえば、40万円のパソコンを購入したとすると、税法で決められている”耐用年数”(想定される使用期間)に応じて、購入した費用を経費として配分します。

 

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このように、買ったその年に全額を経費にすることはできなくて、配分しなければいけないんです。

事業を行う上では、同じ金額なら早く経費にした方が、有利になりますので、事務用品を購入の際には金額にも注意しておきましょう。

 

事業税

事業税も経費になります。

後から紹介しますが、全ての税金が経費になるわけではありません。
経費になる税金とならない税金があることを踏まえて、個別に判断する必要がありますので、そこは注意しておいて下さいね。

 

 

「経費」にならないもの

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「経費」にならないものも紹介しておきます。「経費」になるもののところで説明したものもありますが、補足情報として確認してみてください。

所得税、住民税

「『経費』になるもの」の方で、「事業税」を上げましたが、「所得税」「住民税」は経費にならないので注意が必要です。

「所得税」「住民税」は売上から経費を引いた所得(儲け)に税率をかけて計算しますが、これを経費にしてしまうと、税金がゼロになるまで経費が増えてしまうことになるからです。

 

健康保険料、国民年金保険料

健康保険料、国民年金保険料も経費になりません。

経費にはなりませんが、社会保険料控除といって、経費とは別に集計されて、税金を安くするための要素になりますから、重複しないように経費からは外されています。

 

罰金

無申告などで科される罰金も経費にはなりません。

売上につながる支払ではありませんし、ペナルティとして支払わせるものですから、支出の性格からしても、税金で有利になる扱いをするのは適切ではないからです。

 

支払いは終わったが、”もの”がない、サービスが提供されていない

「パソコンを購入したけど、まだ本体が届いていなくて使っていない」

「セミナーを申し込んで入金をすませたけど、開催はまだ先」

のように、支払が終わっているけど、”もの”が届いていなかったり、サービスが提供されていない場合は、経費になりません。

「経費」になるのは、

・”もの”が届いて使えるようになる

・サービスが提供される

タイミングです。

「経費」にならないわけではないですが、経費になるタイミングは違ってきますので、すでに”もの”が届いているか、サービスは提供されたか、については注意が必要です。

 

 

まとめ

タカジム
「経費になるもの」「経費にならないもの」を知っておくと、経費のもれを防ぐことができ、結果的に節税につながります。特に、経費の基本的な考え方を知っていると、日々発生する経費について的確な判断ができるようになりますよ!

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